仕事/児童書 works/children's books

2022年8月22日 (月)

『救助犬の弟子』

堀直子さん作『救助犬の弟子』(新日本出版社刊)の装画と挿絵を描きました。

爽やかで深みのある装丁は中嶋香織さんです。

小学5年生の咲良は虐待の痕跡がある捨てられた犬を一時的に預かり、新たな飼い主を見つけようと決心します。学校の特別授業で救助犬のデモンストレーションを見たのをきっかけに、タニーと名付けた犬との距離が縮まっていく様子や、友人や家族の言動に一喜一憂する描写が濃やかに積み重なり、最後の最後に咲良から溢れる気持ちがとても切実で輝いて見えました。

ぜひ読んでみてください。

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2022年7月19日 (火)

『いもうとなんかいらない』

ロイス・ダンカンさん作、小宮由さん訳『いもうとなんかいらない』(岩波書店刊)の装画と挿絵を描きました。

いつもあそびのじゃまばかりしてくる妹を、メアリー・ケイはどうにかしようとたくらみます。

ひとつひとつのセリフやお話の展開に心がこもっていて、文字で読んでも声で聞いてもいきいきとした様子や、主人公の気持ちの揺れと変化が伝わってきます。

もうとりかえしがつかないかも…!と主人公が焦る後半の描写がややこわく感じたのですが、私はそこがとても好きで、子どもが見ている世界にはっとさせられました。

あそぶ様子をたくさん描けて幸せでした。

この本は小宮由さん翻訳の幼年童話シリーズの3冊目です。

既刊は『くしゃみおじさん』絵・山村浩二さん『けんかのたね』絵・大野八生さんです。

どちらのお話も文と絵の呼吸がぴったりでとても面白いです。ぜひ読んでみてください。

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2022年5月30日 (月)

『紅の魔女』

小森香折さん作『紅の魔女』(偕成社刊)の装画と挿絵を描きました。前回に続き美しい装丁は中嶋香織さんです。

『青の読み手』の第二弾です。

術や人物、空間の描写にどんどん引き込まれ、過去と未来を覆う謎と不安がますます深まり、新登場のキャラクターも力強く魅力的です。

ぜひ読んでみてください。

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2022年3月11日 (金)

『わっかざり』

こさかまさみさん作『わっかざり』(福音館書店)の絵を描きました。月刊予約絵本こどものとも年少版の4月号です。

主人公のちいちゃんがわっかざりを作っていると、次々と「いいなあ」という声が聞こえてきます。こさかさんのやさしく踊るような言葉に歓迎され、仲間がふえ、楽しい気持ちがつながってぐんぐんと広がります。

ぜひ読んでみてください。

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2022年1月27日 (木)

『シリアからきたバレリーナ 』

キャサリン・ブルートンさん作、尾﨑愛子さん訳の『シリアからきたバレリーナ 』(偕成社)の装画と挿絵を描きました。

柔らかなデザインは田中久子さん、バレエ監修は石津ゆりさんにお世話になりました。

シリア内戦から逃れイギリスで庇護申請中の11歳のアーヤが、「難民」という枠に心や体が押し込められそうになるのをバレエや周りの人々を通して留め、居場所を見出していく過程が胸を打ちます。

人物や風景、心情、時間にいたるまで丁寧に思いがこもる描写によって、恐怖や後悔ようなものと共に生きていく難しさや悲しみと同時に人に対する信頼が伝わってきました。

ぜひ読んでみてください。

日本での難民認定率の低さや出入国在留管理局で起こる事件や問題が、この物語のずっと手前にあることを考えずにはいられません。

 

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2021年12月27日 (月)

『空から見える、あの子の心』

シェリー・ピアソルさん作、久保陽子さん訳『空から見える、あの子の心』(童心社刊)の装画と挿絵を描きました。さわやかな装丁は長坂勇司さんです。

ひとりぼっちのジョーイを理解しようとし、何かできないかと悩んだりアイディアを練るエイプリルの迷いながらも熱い言動と、ジョーイの人と共有することが難しい特性や孤独さを絵でも表したいと思いながら描きました。

人のために動いたり怒ったり心配することの切実な優しさのようなものが丁寧に大切に伝わってきます。

ぜひ読んでみてください。

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2021年10月16日 (土)

『オンボロやしきの人形たち』

いフランシス・ホジソン・バーネットさん作、尾﨑愛子さん訳『オンボロやしきの人形たち』(徳間書店刊)の装画と挿絵を描きました。

元気な装丁は百足屋ユウコ(ムシカゴグラフィックス)さんです。

生きることを心から楽しむ人形たちの会話や動きが笑顔を誘います。容赦ないボロボロ具合の住まいや衣装の描写が生き生きとしていて、より彼女たちの心の強さや明るさが見えてくるようでした。ぜひ読んでみてください。

徳間書店ホームページ

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2021年9月 3日 (金)

『コケのすきまぐらし』

田中美穂さん作『コケのすきまぐらし』(福音館書店刊)の絵を描きました。月刊たくさんのふしぎ10月号(9月上旬発売)です。

かわいいブックデザインは紀太みどり(tiny)さん、緑が美しい印刷は精興社です。

田中さんがコケの奥深い世界を親しみと敬意のようなものをこめて案内してくれます。

作画中、序盤は図鑑と実物が同定できないことに恐れ慄いていましたが、終盤はコケへの興味と感嘆が満ちてきて、分からないところを確認しながらゆっくりと描くことが楽しくてなんとも幸せでした。

コケと田中さん、編集者の長年の積み重ねがあっての本です。絵でもそれを伝えられているとよいです。

ぜひ読んでみてください。

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2021年8月21日 (土)

『国語をめぐる冒険』

渡部泰明さん、平野多恵さん、出口智之さん、田中洋美さん、仲島ひとみさんの共著『国語をめぐる冒険』(岩波ジュニア新書刊)の装画と挿絵を描きました。

先生方の国語への情熱とユーモアにたっぷりとひたりながら、言葉への新たな気づきはもちろん、この世界をもっとよく生きてみたい!という漠然としつつも自分の中の希望のようなものを強く感じることができました。

挿絵ではカバーの2人が冒険をしていく様子や、芥川龍之介、太宰治、中島敦の似顔絵を描きました。似顔絵はあまり描く機会がないですがとても好きな仕事です。

ぜひ読んでみてください。

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2021年6月25日 (金)

『トムと3時の小人』

たかどのほうこさん作『トムと3時の小人』(ポプラ社刊)の装画と挿絵を描きました。

隅々まで楽しいデザインはポプラ社デザイン室の楢原直子さんです。

現実世界とファンタジーが豊かに共存する物語です。本や作者についての気づきや、古びた場所での出会いの描写など、気持ちを豊かにしてくれる時間が流れていました。

全ページにカラーの挿絵、総ルビがつくGO!GO!ブックスシリーズ創刊本の1冊です。

ぜひ読んでみてください。

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